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2023年6月6日
記録的な雨量を観測した先週末の前線による大雨で浸水被害が相次いだ愛知や静岡、茨城や和歌山では、その地域にとって100年に1度よりも頻度が低い「まれな雨」だったことが防災科学技術研究所の分析で分かりました。
「防災科学技術研究所」は観測された雨量がその地域にとってどの程度珍しいか、具体的には「どのくらいの期間に1度起きるか」を過去のレーダーによる解析データなどから計算し、珍しさの度合いに応じて6段階に評価した結果をウェブサイトで公表しています。
それによりますと、東日本と西日本の多いところで総雨量が400ミリから500ミリ前後に達し、各地で浸水被害が相次いだ先日の大雨で、東海地方では3日午前3時までの24時間雨量が豊橋市や浜松市を含む愛知県東部や静岡県西部を中心に6段階のうち最も珍しい「100年に1度よりも頻度が低い」まれな大雨となっていたことが分かりました。
また関東甲信でも3日午前3時までの24時間に、茨城県で100年に1度よりも頻度が低いまれな雨となった地域があったほか、埼玉県南部や東京23区でも5年から30年に1度程度のまれな雨となっていました。
さらに、近畿でも川の氾濫が相次いだ和歌山県北部を中心に、2日午後1時半までの6時間の雨量が100年に1度よりも頻度が低い大雨となっていました。
豪雨災害の被害実態に詳しい静岡大学の牛山素行教授は「どれくらいの雨量だと災害が起きるのかは地域差が大きく、例えば24時間雨量なら数倍の単位で違うため雨の絶対量だけでは危険度が十分わからない。その地域にとってめったにない雨になっているかを知ることは防災上有効で、このウェブサイトや気象庁のキキクルなどでも危険性を知ることができる。これからの大雨の季節に、こうした情報を活用してほしい」と話していました。
4日夜、和歌山県かつらぎ町の山道で、60代の男性が崩れた土砂のなかから見つかり、死亡しました。警察は、現場の状況などから倒木の撤去作業をしていた際に、大雨による土砂崩れに巻き込まれた可能性があるとみて調べています。
4日午後8時半ごろ、和歌山県かつらぎ町の山道で「大雨の復旧作業のために山に入った男性が土砂に埋まっている」と消防に通報がありました。
警察や消防が駆けつけたところ、山道脇の斜面が崩れていて、土砂の中から60代の男性を救出しましたが、死亡が確認されたということです。
警察によりますと、男性は4日昼ごろに軽トラックで山に入ったとみられ、近くには軽トラックとチェーンソーが残されていたということです。
警察は、現場の状況などから、男性が道をふさいでいた倒木の撤去作業をしていた際に、大雨による土砂崩れに巻き込まれた可能性があるとみて調べています。