ログイン |
小林製薬は28日、「紅こうじ」を使ったサプリメントを摂取した2人の死亡を新たに確認したと発表した。サプリを摂取後に死亡した人は計4人となった。同社は大阪市のホテルで定時株主総会を開催した。小林章浩社長が最新の状況を説明。サプリ摂取による健康被害の拡大が判明後、小林氏が見解を示すのは初めて。
小林製薬は、自社が製造する紅こうじサプリを摂取した人に腎疾患などの症状が発生していると22日に発表。健康被害の相談が多数寄せられた。昨年9月以降に製造された「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人に被害が集中していた。
想定と異なるカビ由来の成分が原因となった可能性があるが、特定できていない。同社は29日午後に大阪市で記者会見し、小林社長らが遺族への聞き取り結果などを説明する。
大阪市は27日、自主回収の対象となっている3製品の回収命令を出した。さらに廃棄命令を出す方針。
28日の総会は非公開で実施した。小林氏ら7人の取締役選任議案などを審議。
↓↓↓
「対応が遅すぎだ。憤慨している」。28日午前、小林製薬(大阪市)の定時株主総会の会場に向かう株主からは怒りと困惑の声が聞かれた。「紅麹(こうじ)」成分が入ったサプリメントによる健康被害が確認された問題を巡っては、サプリ摂取とみられる死亡者が4人に上り、さらなる被害拡大も懸念され、株主らは一様に硬い表情で会場に向かった。
この日朝、株主総会が行われた大阪市のホテル周辺では多数の報道陣が待ち構えるなか、株主らが足早に会場に向かう姿がみられた。報道陣の取材に応じた株主の大阪府藤井寺市の男性(74)は「今回の問題を知り、怒りと驚きの気持ちだ。株主はこういうときに声をあげないといけない」と語気を強める。
男性は同社が1月に医師からサプリによる健康被害の情報を把握しながら、情報公開が3月22日までずれ込んだことについて「対応が遅すぎる。1月の時点で(公表など)動かないとだめだった。今後、被害者にきちんと補償しないと責任ある会社の対応とはいえない。会社の管理責任の問題で、社長以外経営陣は代わるべきだ」と非難した。
同社が上場して以来の株主だという奈良県橿原市の60代女性は「大阪の企業ということもあり、期待していた。信頼していたのになんでこんなことにというショックと悲しみだ」と声を落とす。
女性は同社の別のサプリを愛用していたが、問題発覚以降は飲むのを止めたという。「人の命にかかわっていることなので、原因を早く突き止めて公表してほしい。これまでガバナンス体制には疑問を感じてこなかったが、総会の内容次第では株を売却したい。ただ(株価が)急落しているのでどうなるか…」と不安そうに話していた。