丸くて白いお皿に 盛る、盛る、盛る
一通り乗せ終わると、見慣れた眼鏡が既に座っていた。
「…げ、岳人お前なんやねんそれ」
俺の皿を見て信じられないという表情のこいつ、忍足侑士。部活仲間であり俺のダブルスパートナーでもある。
そんな侑士は俺のもってきたお皿を見て小さく顔を歪めた。
「なにってなんだよ?」
「え、いやいやいや、盛りすぎ。しかも同じもんばっか」
「いいじゃんか好きなんだから!」
俺の手元には白いお皿にてんこ盛られているから揚げの山。俺の大好物。
バイキングとか行ったらやっぱり唐揚げだよなー、好きなだけ唐揚げ食えるとかマジパねぇ。天国じゃねーのここ。
そんな俺を横目に胃ぃもたれるわ、とため息をもらす侑士の手元には色とりどりでバランスも取れているであろう食べ物たち。
野菜とか綺麗に盛ってやがるんだけど、こんなところでまで野菜摂らなくてよくね?俺はゴメンだな
「アカンで岳人。ちゃんと野菜も摂らんと」
「野菜食うなら他のもの食う!野菜で腹満たしてたまるかよ」
「こら、ええから食べときなさい。血ぃドロドロなるで」
「うるせーよ!お前は母さんか!」
「母さんでええわ。ほら、母さんが分けたろ」
気持ち悪ぃ、吐き気吐き気
まあこういう時にノってくれるのが侑士の良いところの一つでもあるんだけど。やっぱり関西人ってそういうものなのかな、ノリがいいというかなんというか
侑士は自分の皿のレタスやブロッコリーを俺の方へ差し出す。
ていうかなんでブロッコリーチョイスするかな。俺嫌いなんだっつーの。なんつーかなにあれ、アフロみたいなもじゃもじゃ。整えよ。触感が気に食わねぇーんだよなー
ブロッコリーを差し出されて嫌な顔をしてるだろう俺を侑士はニヤニヤしながら見ている。くそくそ、性格の悪い奴
きっと食べねーとそれはそれでまた何か言われるんだ。そう思い俺は唐揚げを食べるのに使っていたフォークでブロッコリーを雑に突き刺し、口に放り込んだ。ほら、やっぱりこの触感、キモチワルイ
「お味はいかがですかーってな」
「バッカ、別にどうってことねーよ!!」
「せか。ならもっと食うてええで」
「もういい、ってか自分で取って来ればいいんだろ!このクソクソ侑士!!」
高速でお皿に盛った唐揚げを平らげ俺は席を立つ
うん、そうだな、キャベツとか食べりゃいいだろ。あれなら唐揚げの備え付けでいつも食ってるし。コーンとかトマトとかも乗せてさ、侑士に負けねえぐらい色とりどりに。ブロッコリーはぜってー食わねーけど!
とか思いながらサラダコーナーに向かっていると丁度出来立てホヤホヤの唐揚げ。うっしゃやりぃ!!揚げたてが最高だよな!!
俺は野菜を忘れ唐揚げのところへ一目散。お皿に出来たから揚げの山を見て侑士がまたため息をつくのは、もう少し先のこと。
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忍足小説にしようと思ったらいつのまにか岳人中心になってたシリーズ。続かないけど。いやー忍足中心ってしんどいんだわ…なんかアイツまわりくどそうだし…
バイキングに行くと唐揚げに目をキラキラさせてる岳人だといいです。家で唐揚げとかしても数は決まってるから、こう食べ放題ってなると燃えるーみたいな。1人で唐揚げ大食い大会とか始めちゃったり。
私が昨日行ったバイキングの唐揚げはメリケン粉:お肉の比率が8:2ぐらいだったのですが、あれは唐揚げとはいえない!割ってもメリケン粉しか見えないっていうか。あんな唐揚げだったら岳人シェフにキレかかるだろうなー。唐揚げに必死な中学三年生。158cm
忍足語ろうとしたのに岳人だよ!なんでだよ!頭冷やしてきます
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