2人のイメージはこんな感じです。
ちんまり(お茶にごす。を読もう)、させたかったんですが、ヴィオレッタ嬢の性格的にがしっみたいな持ち方になってしまいましたw
魔法使いくんはジャラジャラした首飾りしてたんですが、面倒く…シンプルにしました。
そんな訳で以下ようやくの最終話ですー
2017-4-18 19:22
魔法使いさんと私 7(最終話)
「お待たせ、魔法使いさん」
「うん……」
「……?」
「とても似合ってるよ。綺麗だね」
「あっありがとう! 似合っているなら良かった! こんなに素敵なドレスだから、着こなせるか心配になっちゃった」
素直に誉めてくれる魔法使いさんの言葉に、やっぱりどきどきしながら、それをごまかすようにくるっと回ってみせた。
「大丈夫だよ。とても素敵だから。それじゃ髪を結うから座って」
「分かったわ」
すとんと椅子に座る。スカートがふわふわで、私の心もふわふわしているみたい。
彼が私の髪をすく。こんな風に彼が私に触れるのは初めてで、緊張する。
意外と器用な彼が綺麗に髪を結い上げる。
私が自分で髪をセットするより上手な気がして、少し落ちこんだ。
「はい、できたよ」
「ありがとう」
笑顔で魔法使いさんの方を向き、お礼を言った。
普段とは違う装いに浮かれて、彼が何故こんなプレゼントを用意してくれたのか、尋ねるのをすっかり忘れていた。
「これで準備できたね。じゃあ、こっちに」
「?」
外に促される。
魔法使いさんの意図が読めない。
魔法使いさんの家の近くには馬車がとまっていた。な、なんでだろう?
「ほら、レッタ」
「え、ええ……?」
馬車の中に促され、戸惑いながら座る。つまり、これは?
「よろしくお願いします」
「はい、お城までですね」
魔法使いさんと馬車の御者との会話が聞こえる。お城ということは、もしかしなくても。
御者との事務的な会話を終えた彼は、私の方にやってきて微笑んで言った。
「舞踏会、行ってくると良いよ。楽しんでおいで」
「っ……」
やっぱり。私は絶句した。
何よ、それは。
私の返事を待たずに馬車は出発する。
キラキラしたドレスに着替えて、魔法使いさんが結ってくれた髪の毛が嬉しくて。
ついさっきまで凄く、凄く、全てが輝いていたのに。
今は全部色褪せて見えた。
王子様のお妃様選びを兼ねた舞踏会に行ってこいということはだ。
「私が、王子様と結婚しても良いって事よね……」
万が一にも無いでしょうけれど。私は両手をぎゅっと握りしめた。
「もう……っ」
ガタガタと馬車が揺れる。私の体もわなわなと震えた。
「あの朴念仁〜〜っ!!」
そして私は、堪忍袋の緒が切れた。
お城にたどり着いた。
馬車を降り、お城の召使いの方々に促され、舞踏会が行われている広間に向かう。
既に、舞踏会は始まっている。
魔法使いさんがそういうつもりなら仕方がない。私は、思う存分舞踏会を楽しむことにした訳だ。
(おいし〜〜いっ!!)
さすがにこうした場では、大きな声は出せない。でも凄くおいしい。おいしいだけじゃなくて、とても綺麗!
コルセットがきつくて、沢山食べられないのが恨めしい。これさえなければ、もっと食べられるのに! 淑女って大変ね!
腹ごしらえも終わったので、そろそろお暇しましょう。
パーティーはまだ続いているというのに、帰ろうとする私に、お城の召使いの人達は不思議そうな顔をしたけれど、気にしないことにして御者を呼んでもらった。
さぁ、魔法使いさんにはなんて「お礼」をしようかしら。そう考えながら馬車に乗って帰った。
「あれ、もう帰って来たの?」
馬車の音が聞こえたのか、驚きながら出迎えてくれる魔法使いさん。
「ええ、ただいま」
私はにっこり笑って馬車から降りた。
御者が会釈して、馬車が走り去って行く。
私は、つかつかと彼の元へ向かう。
「おかえり、王子様とは踊れたかい――っ」
魔法使いさんは驚いているけど知った事ではない。私は彼の胸ぐらをぐっと掴んだ。
「踊っていないわ」
「え? ええと、どうして」
ああもうだからっ!
「私は、顔も知らない王子様じゃなくて、貴方が好きなのよ!!」
彼は目を丸くした。至近距離だから良く分かる。
「え? ………………あっ……ありがとう……」
私の気持ちは、伝わっているのか、いないのか。
まだまだ分かりそうにない。
いいわ。もう容赦しないんだから!
おしまい!
「うん……」
「……?」
「とても似合ってるよ。綺麗だね」
「あっありがとう! 似合っているなら良かった! こんなに素敵なドレスだから、着こなせるか心配になっちゃった」
素直に誉めてくれる魔法使いさんの言葉に、やっぱりどきどきしながら、それをごまかすようにくるっと回ってみせた。
「大丈夫だよ。とても素敵だから。それじゃ髪を結うから座って」
「分かったわ」
すとんと椅子に座る。スカートがふわふわで、私の心もふわふわしているみたい。
彼が私の髪をすく。こんな風に彼が私に触れるのは初めてで、緊張する。
意外と器用な彼が綺麗に髪を結い上げる。
私が自分で髪をセットするより上手な気がして、少し落ちこんだ。
「はい、できたよ」
「ありがとう」
笑顔で魔法使いさんの方を向き、お礼を言った。
普段とは違う装いに浮かれて、彼が何故こんなプレゼントを用意してくれたのか、尋ねるのをすっかり忘れていた。
「これで準備できたね。じゃあ、こっちに」
「?」
外に促される。
魔法使いさんの意図が読めない。
魔法使いさんの家の近くには馬車がとまっていた。な、なんでだろう?
「ほら、レッタ」
「え、ええ……?」
馬車の中に促され、戸惑いながら座る。つまり、これは?
「よろしくお願いします」
「はい、お城までですね」
魔法使いさんと馬車の御者との会話が聞こえる。お城ということは、もしかしなくても。
御者との事務的な会話を終えた彼は、私の方にやってきて微笑んで言った。
「舞踏会、行ってくると良いよ。楽しんでおいで」
「っ……」
やっぱり。私は絶句した。
何よ、それは。
私の返事を待たずに馬車は出発する。
キラキラしたドレスに着替えて、魔法使いさんが結ってくれた髪の毛が嬉しくて。
ついさっきまで凄く、凄く、全てが輝いていたのに。
今は全部色褪せて見えた。
王子様のお妃様選びを兼ねた舞踏会に行ってこいということはだ。
「私が、王子様と結婚しても良いって事よね……」
万が一にも無いでしょうけれど。私は両手をぎゅっと握りしめた。
「もう……っ」
ガタガタと馬車が揺れる。私の体もわなわなと震えた。
「あの朴念仁〜〜っ!!」
そして私は、堪忍袋の緒が切れた。
お城にたどり着いた。
馬車を降り、お城の召使いの方々に促され、舞踏会が行われている広間に向かう。
既に、舞踏会は始まっている。
魔法使いさんがそういうつもりなら仕方がない。私は、思う存分舞踏会を楽しむことにした訳だ。
(おいし〜〜いっ!!)
さすがにこうした場では、大きな声は出せない。でも凄くおいしい。おいしいだけじゃなくて、とても綺麗!
コルセットがきつくて、沢山食べられないのが恨めしい。これさえなければ、もっと食べられるのに! 淑女って大変ね!
腹ごしらえも終わったので、そろそろお暇しましょう。
パーティーはまだ続いているというのに、帰ろうとする私に、お城の召使いの人達は不思議そうな顔をしたけれど、気にしないことにして御者を呼んでもらった。
さぁ、魔法使いさんにはなんて「お礼」をしようかしら。そう考えながら馬車に乗って帰った。
「あれ、もう帰って来たの?」
馬車の音が聞こえたのか、驚きながら出迎えてくれる魔法使いさん。
「ええ、ただいま」
私はにっこり笑って馬車から降りた。
御者が会釈して、馬車が走り去って行く。
私は、つかつかと彼の元へ向かう。
「おかえり、王子様とは踊れたかい――っ」
魔法使いさんは驚いているけど知った事ではない。私は彼の胸ぐらをぐっと掴んだ。
「踊っていないわ」
「え? ええと、どうして」
ああもうだからっ!
「私は、顔も知らない王子様じゃなくて、貴方が好きなのよ!!」
彼は目を丸くした。至近距離だから良く分かる。
「え? ………………あっ……ありがとう……」
私の気持ちは、伝わっているのか、いないのか。
まだまだ分かりそうにない。
いいわ。もう容赦しないんだから!
おしまい!
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プロフィール
性 別 | 女性 |
誕生日 | 8月17日 |
血液型 | A型 |