少年よ空を翔べ

カズパピでパピ＋まひですがカズキが死んでいます。
苦手な方は閲覧を避けて下さい。



名前を呼んだが最後



橙色に染まる町を一望できる丘の上、パピヨンは一人木の陰に寄りかかり、沈む夕日を眺めていた。
温かな風が頬を撫でれば、草木が揺れさらさらと音を奏でる。
その音に微かな別の音を捉えて、パピヨンは太陽とは逆方向に顔を向けた。
視線の先には、少々驚いた風な少女の姿―――正確に言うならば“少女”は適切でないが、顔立ちは実年齢より大分幼く見える。
その“少女”は躊躇いがちにパピヨンの隣へ来ると、その場に腰を下ろす。
可愛らしいフリルのついた白いワンピースが、くしゃりと形を崩し地についた。

「パピヨンさん」

「…何しに来た？」

見上げてくる不安を孕んだ眼差しに気付きながら、パピヨンは視線を反らし言う。
その声が震えていたから、どうしてよいものかと迷ったのかもしれない。

「泣いてるかと、思ってました」

「……何…？」

少女の言葉に、思わず視線を戻す。
普段呆れるような言動を繰り返している彼女が、何もかも見透かしているかの如く呟いたそれ。
パピヨンは動揺を悟られまいと、自らの胸元に手をやった。
浮かべた笑みはどこか引きつっている。

「何故俺が。あいつは死んでいて、死んでいないようなものだろう」

「…そう、ですか？」

首を傾げる少女。
彼女には似合わぬ言葉だ。

「そうだ。…らしくないな」

オマエはいつも通り間抜け面をしていればいい。
そう言って、毒の無い笑みを浮かべる。
微かな声で、あいつのように、と続ければ、どうやら伝わったらしかった。
大きな瞳をうるうるとさせ、それを隠すように下を向くとすんと鼻を鳴らす。
そのままぐずりだすように思えた少女は、パピヨンの予想に反し勢いよく立ち上がった。
力強い足取りで目の前に立ち、服の袖で涙と鼻水を拭う。
その眼には、もう先程の不安は無い。

「お兄ちゃんは、パピヨンさんと居られて幸せでした！」

「………」

大声で叫び、ぺこりと頭を下げる。
突然の事に目を見開き、見つめるばかりのパピヨン。
少女は顔を上げると、そんなパピヨンをからかうように微笑み、くるりと背中を向けて走り出した。
そのまま一度も振り返らず、少女のシルエットが夕闇に溶けていく。

「…何なんだ…」

あいつらの行動は予測できない、とパピヨンは溜め息を吐く。
だが、その表情は明るい。
パピヨンは少女によく似た男を思い、静かに呟いた。

「武藤カズキ」

好きだった、と。



間も無く、日が完全に地に溶け込む。
微かに頭を覗かせるサンライトイエローが、一層強く輝いていた。
それがパピヨンにはとても眩しくて。
眩しくて。



***
暗くない死ネタを目指して
少し未来の話

いや、その…本館との両立はホンット難しいな、と←
書きかけの鷲蝶のデータがぶっとびやがったのでダウン状態なのですよ…(´д｀;)
傷心癒えた頃また顔出します。

えー、こんな話の後であれですが私信をば。
冬椿様…長い間放置していて申し訳ありません;
駄目だめ街道まっしぐらなものでどうしようかとも思ったのですが。
問題があれば削除して下さい…(__;)

……またあれと同じ物を書けるのだろうか…。

本館の調整に時間がかかっただけで、うん。

錬金ラスト二巻が手に入らない…店を三件回ったが無かった。
パピMADもずっと見ていないし…欲求不満。
鷲蝶の方向性変えようかいな…。

画力があれば拍手に絵を乗せたい。
お姫様だっこ鷲蝶で。
何故かそれが三日程前から頭を離れない。

やりたい事がありすぎて駄目だー(´д｀;)

本人に見られたら気まずさのあまり切腹してしまいそうな実話。
…をカズキとパピに置き換えてみた。

カズキ→友人、パピ→私

「―――ふーん。なら(某作家)はただの怠慢なのか」

「怠慢…なあ蝶野、『タイマン』ってどういう意味だ？　食えるのか？」

「『当然すべき事を怠けてしない事』だ。それくらい調べろ」

「そういう意味なのか、わかった。『妥協しまくる』って事だな！」

「……………」

いや、別にカズキがここまでとは思っていないけれども！
これは本館のアホの子にしておいた方が良かったか…(´д｀;)

これがゆとり教育の被害者か。
無いとは思うが…本人見ていたらごめんね、マジでびっくりしたんだ(´･ω･｀)

どうでもいいが自分は鷲蝶が一番好きな事に今気付いた。

＞タム様
見付かってしまいましたか(何)
カズキがヘタレ過ぎて、パピが微妙な結果になってしまったのですが…可愛いと言って頂けて安心しました;
いえ、こちらこそ可愛いパピのエイプリルフールネタごちそうさまでした！

＞Yoko様
Yoko様初めまして！
わざわざリンク報告ありがとうございます^^
貼って頂けるなんて恐れおおいです;
鷲創造主萌えて頂けましたか！
少々ブラック過ぎるかと思っていたのですが、そう言って頂けて良かったです。
ノロノロの駄サイトですが、よろしくお願いします。

コメントありがとうございました！