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とりっくおあとりーと

なのぢゃ☆

ハッピーハロウィン!
季節絵は楽しいですね。

フリーイラストにしようか迷いましたが止めときました。描けたのがほんの三日前だったし_(:3 」∠)_

若ぶしゆす



命令に従えと。
年下に言われるってそんなに嫌なもんなのかね。
 
風が火の粉を纏った紙切れを空に運ぶ。
俺の目の前には燃やされた紙の山。黒く焦げてしまって殆ど読めないが残った白い部分には文字が書いてあって。
それをいつもと変わらない無表情で見つめる、若い隊長さんの背中。
 
「別に気にしてない」
 
俺が聞く前に奴はそう答えた。
 
「死人の手紙だ。今更、いらない。それに、気付いていたのに、対応もしなかった俺が悪い。手紙なんて隠そうと思えば隠せたんだから」
 
いつもみたいに、落ち着いた声だから。一瞬素直に頷いてしまいそうになる。
平気な筈が無い。
燃やされた手紙は奴が何より大事にしていた家族との思い出なのだから。
せめてもの救いは、形見のタグと写真は肌身離さず持っていたから無事だった、というところか。
 
「……今までだって、散々妬まれたのにな」
 
その声は少しだけいつもと違っていて。
少し前の俺だったら、気付かなかった微妙な変化。
少し前の俺だったら、理解しようとも思わなかったこいつの、心情。
 
慰めてやろうか
優しく声を掛けてやろうか
抱きしめてやろうか
 
そう考えるけどどれも不正解な気がする。
無表情でそっけなくてわかりづらいけど、こいつはちゃんと悲しんでいて腹立たしくて、でもどうしようもなくて。
どうせくだらない連中の仕業だ、俺がそいつらを見つけ出して殴ったり殺したって、いいくらいだ、だけど我慢する、こいつの為に。
 
妬まれるたびに相手にしていたらきりがない、というのもあるが、やはり邪魔しているのは隊長という名の重荷。
面倒だな、と心の中で唾を吐けば、自分自身も隠しきれない苛立ちが誤魔化しきれない所まできている事に気付いて、少しだけ笑った。ベタ惚れじゃねぇか、と。
 
「なぁ」
 
「ん?」
 
おまえはおれになにものこすなよ
 
それは命令だったのか、可愛いおねだりだったのかはわからないけれど。
なんというか。照れ臭かった。
 
(好きって、告白されてる気分だった。)
 
 
***

 
どうでもいいヒトからの贈り物だったら悲しまないよねぇって話
 
 
 
 
 
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