ありきたりで薄っぺらな恋愛小説を読んではあなたを思い出す。
私にとって貴女は叶わなかった恋の象徴。
貴女に焦がれて初めて、どんなに思っても届かない想いもあるのだと知った。
こんな夜には手に入らない未来を幾度も幾度も夢想する。
生産性のない行為は私を少しだけ楽にするのだ。
写真なんてなんの為に撮るんだろう。
思い出を残すため?それじゃあ見返さなきゃ意味ないじゃん。
私にとって誰かと撮る写真なんてまったくもってどうでもいい。
たくさんの友達とカメラに向かってピースサインを作りながら、昔カッターで切り裂いた自分の写真に思いを馳せた。
繋がれば繋がる程悲しくなる。なんて虚しい世界なんだろう。
結局生身の人気には敵わないのだろうか。体温はそんなにも重要?
それじゃあ私が亮さんに感じた愛着はなんだったのか、という話になる。私は確かに亮さんを必要としていた。
あ、でもこれって愛じゃないのかもしれない。
ああ…ちょっと鬱。
また病気が再発したらしい。私はどうすればいいのかな。誰か正解を教えて。訳が分からないんだもう。行けども行けども道は暗くて、明るくなったと思ってもほんの束の間で、私はこの闇から逃れられない。お金が、あれば。こんなクズみたいな台詞大嫌いだけど思ってしまう。お金が、あれば。こんなに苦しい思いをせずに済んだのかな。あの人を恨むのは間違ってる、分かってる。だけど、時々思うんだ。私あなたの人形なんかじゃない。意思や思考を操られている気がしてならない。そんな思いを抱くことに対してまた募る罪悪感。
私は悪く、ない。
あの子にとって私は「亮さん」なんだろう。
きっと掴めない夢を追い続けている、その対象。
届かない想いを幾らぶつけても、結局、その先には何もないんだろうなぁ。
ああ切ない。ごめんね。
亮さんも私にごめんね、て思ったのかな。
…きっといっぱい思ってくれたって信じてる。
でも、ホントはごめんねじゃなくて違う言葉が欲しかった。嘘でも良いからずっと愛してるって言い続けて欲しかった。そんなの自分の都合しか考えてない愚か者の言い分だけど。でも、ずっと愛してるって、…
調子に乗って飲み過ぎた。気持ち悪い。眠い。
どうしたらいいのかわからなくなる。
会いたい、話したい、それだけしか思えない。
雪が降ればいい。
何もかも覆い尽くす雪が降ればいい。
それで真っ白になった世界で亮さんが私のことを思い出してくれたらいいのに。
貴女にこの名を告げてから、「小雪」は何より大事な名前。
私を見つけて