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「お前今日、何荒れてたの」
ずっと気になっていた道仁は、すっかり脳味噌お花畑になった矢追にさりげなく尋ねてみた。
「んーー?」
「・・・あのヒキニートと喧嘩でもしたか」
「えーーーーーーーーーーーーーー?」
穏やかならぬ気持ちで聞きはじめた事だったが、矢追のあまりに間の抜けた返事に道仁は思わずふきだす。
「ずいぶん長い返事だな」
「んーーーーーーーーーーーーーーーーーー??」
「お前wwなにそれ気にいってんの?」
「うん」
「wwwwそこは伸ばさないのかよwww」
「うふふんwww」
へべれけになった矢追は最早会話の意味を理解できていないようだった。ただ道仁が笑ったのを見てつられるように笑い返している。まるで幼児のやり取りだった。
「・・・、俺の考えすぎか」
怒った姿は珍しかったが、酒を飲んで忘れる程度の事なのだろう。道仁は詮索をやめた。
「あ、矢追君がダウンした」
「座布団もってこよっか」
「一応水とビニル袋おいとくね」
床に眠り込んでしまった矢追を女子数人が介抱しはじめた。彼女達はいわゆる腐女子で、矢追と趣味が合う腐仲間らしい。
(はたから見ればハーレムってやつだな、俺は嬉しくないが。)
隣でご丁寧に膝枕までされている矢追をぼんやりと見下ろし、道仁はひとりごちた。
ここにアイツが・・・備府が居たら、どんな顔をするのだろう。
きっと見ただけで溜飲が下がるような情けない顔をして一人ずっと押し黙っているのだろう。アイツにとって唯一無二の保護者のダウンで完全に孤立、その上矢追が知らない人間、しかも異性にチヤホヤ介抱されているときたもんだ。不安になるだろう?お前は一人じゃ何もできない。挙動不審になるばかりで、きっと矢追を取り返すことすらできやしない。それは飲み会だけの話ではないと気づいたお前は丸い背を更に丸くするんだ。
・・・ざまあみろ。
知らずのうちに道仁も相当量の酒をあけていた。
ひとしきり恋敵の無様な姿を想像した後、少し機嫌よく道仁は女子連中に声をかけた。
「おい、膝枕なんてやってると寝ゲロされるぞ」
「あはは、矢追くんはお酒飲んで吐いた事なんてないって言ってたから大丈夫よ」
「吐くまで飲んだ事がないだけだろ?どう見ても今日のコイツは生ける時限爆弾だ」
「分かった分かった、矢追君は道仁君の嫁だもんねwww」
一人がそう言い脇の女子がキャアとはしゃぐのを見て、道仁は口端を上げたままスウと気分が冷めていく自分を感じていた。
「矢追君って本当、天然ワンコの誘い受けだよねー」
・・おいおい何だよそのカテゴライズ。
「道仁君も、いつも絡んでくる矢追君をあしらってるけど絶対避けはしないもんねー」
・・・あんなのは矢追のただの悪ふざけだ。俺だって、あれが本気ならと何度思った事だろう。今の関係を壊さないためには、矢追の望む「公衆の面前で冷たくあしらう役」を演じる他ないんだよ。お前らに何が分かる。
「道仁君は俺様ツンデレだから、本当は矢追君の事愛してるんだよねー?」
・・・そうか、俺はツンデレか。あんた達にはそう見えるか。
道仁はくつくつと喉で笑った後、矢追の頬をそっと撫でた。
「ああ、愛してるよ。俺はコイツが好きすぎて、もう頭がおかしくなりそうなんだ」
予想外のリアクションに女子連中は、鳩が豆鉄砲を食らったような顔を並べる。数秒の後に黄色い歓声が上がり、それと同時に道仁は声をあげて笑った。
しかしそれは愉快で笑ったのか何なのか、道仁本人ですらよく理解できなかった。
・・・・・・
「自力で歩けない奴は何人だ」
幹事が会計の徴収をして回っている間に、道仁はタクシーの手配をした。
「潰れた奴は同じ方面に住んでる奴が収容してやれ。出来れば二人以上ついてやった方がいい」
「矢追くーん、立てる?」
「・・・だめだ、全然起きない」
最後に座敷に残った矢追と女子の元へ道仁は歩み寄る。
「貸してみろ」
そう言って道仁は矢追の肩を担ぎ立ち上がった。矢追は少しだけ意識が浮上したようだったが、ダラリと道仁に寄りかかり動ける様子ではなかった。
「・・・、出口まで背負っていくか。少し矢追を支えててくれ」
・・・・
「本当に大丈夫?私たちもついとこうか?」
道仁のマンション前に止まったタクシーの中で、付き添った女子が尋ねる。
「・・・、お前ら実家組だろ。このまま人けのあるうちに帰った方がいい。仮にも女子だしな。俺は断じて認めないが。」
「なにそれひっどーいww」
「うるせえ腐女子、さっさと帰ってBLでも書いてろww」
「もー人がせっかく心配してやってんのに」
「お持ち帰りの邪魔されたくないからってそれはないっしょww」
「ハイハイどーもすんませんっした」
道仁は再び矢追を背負い、玄関へ向かう。
「道仁君」
ふとタクシーの中から呼びとめる声がした。
「あん?」
「・・・がんばれw」
「キャーーーwwww」
「・・・・・・」
あーあ、本当におめでたい奴らだな、お前ら。ガンバれたらこんなに長い間俺は悩んでないっての。
道仁は少しだけ悲しげに苦笑した。
「うるせーばーか」
人間は酒が入ると、普段は表に出さない何かしらの部分が顔を出す。
飲みすぎてはいけない。
そう道仁は心がけていた。飲み会に矢追の姿を見つけるたびに。
■よいどれ■
その日、非常に珍しい事に矢追の機嫌が悪いようだった。
機嫌が悪いと言っても、周囲の人間を気まずくさせるような奴ではない。効果音を入れるならば「プンプン」が適しているような、その程度の怒り方だ。矢追の、悪く言うならば「迫力のない」雰囲気もそう見せる一因なのだろうし、本人も良識的に飲み会の雰囲気を壊すまいと感情をセーブしているのだろう。
ただ、矢追の酒の入りだけはいつになくハイペースだった。
居酒屋の飲み放題は、グラス交換という形でドリンクを注文する。矢追の前にも道仁の前にも、グラスは常に一つだ。そのため飲んだ量を視覚で認識できないも、矢追がいつになく大量に飲酒している事はすぐに見て取れた。
「おい一体今日はどうしたんだよお前」
道仁は矢追の隣にいた学生が立ち上がった隙に、グラスを持ってさりげなく矢追の隣に席を移した。
「もうね!今日はね!すっごい飲むよ!!」
「そんなデカい声出さなくても聞こえてるわ」
「そっか!!」
「うっせえなwww」
「えーと、今レッドアイ飲んだんだよね」
「トマトのやつか」
「そうそれ」
矢追はテーブルに肘から下をつき、少し猫背になりながらメニューを物色する。恐らくもう支えがないとまっすぐ座れないのだ。
「このブラッディメアリーってすげー強そう」
道仁はズイと矢追の眺めるメニューを横から覗き指さす。
「名前からして厨二だよね」
「メアリーは12歳かそこらの少女な。デカい刃物持って夜の路地裏に出没すんの」
「いつも返り血で真っ赤なその姿から、『ブラッディメアリー』と恐れられているんだよ」
二人は妄想に花を咲かす。
集合から荒れ気味だった矢追も今は完全にご機嫌で、道仁はほっとしたようなつまらないような気分だった。なにせ矢追の怒った姿なんてなかなか見られないのだから。
「アルコール擬人化いいな」
「久々に二人で同人誌つくっちゃう?」
「マジかww」
「最近道仁とはご無沙汰だったもんねーww」
矢追が道仁にもたれかかる。
それを見てはしゃぐ正面の女子にむかい「ご無沙汰ってそういう意味じゃないよ?」とふざけながら腕を絡めて見せていた。
「・・・腐女子サービスに俺を巻き込むなよ」
道仁が矢追の頭を掴み引きはがすと、矢追は「あーん」と鳴いた。
気色悪い声を出すな、と掴んだ頭をそのまま壁に押し付けると、今度はカエルのつぶれたような声を出した。一部始終を見ていた周囲の人間が笑いだし、矢追も笑う。
矢追がもたれかかって来た瞬間にわきかけた感情をさっと胸にしまいこみ、道仁も周囲に迎合して笑ってみせた。
少し面倒なバトン
いつの返事だよという。まことに申し訳ない。
vip板と801板が面白いことになっていると聞いて。
笹山さんがツイッターでリンクしていたニュースブログの画像を目ぇ凝らしながら書きました
五条さんいい味だしてますね!彼が主人公やイケメンに圧倒的な差をつけ一位になってるその画像を見ただけでなんかこうジワジワきます。
話は変わりますが、その画像の端にいたコイツ。
昔一目見ただけで心奪われ「おふざけゴーグル野郎」と呼んでいた彼が鬼道くんという名前なのだとこんな所で知れました。下の名前は画像が潰れていて読めませんでしたがこれは大きな前進です。
だってドレッドは良いとして、ゴーグルそして風呂敷マントですよ!
去年の夏あたりにアニメを数分観ただけなので非常にあれこれ誤解もあるのだろうとは思いますが、
こんなふざけた格好を誰もつっこむことなく受け入れてサッカーしてるっぽいし
周りが誰も何も言わないもんだから本人も当然のようにその格好でクールキャラ?っぽい身の振り方してたし。あのシュールさ!そりゃあもう僕のハートをがっちりキャッチしてしまうわww
本人と周りの空気も含めて絶対僕このキャラ好きになると思います。
※『まもって!』キャラ設定とか
社長「誰を専属SPにするか選ぶといい」
・スポーツマン系イケメン
・理系イケメン
・王子系イケメン
・百合要員
という選択肢で、主人公(奥園めぐみ)が百合要員(百合川ケイ)を選んだらの話。
「・・・いずれかの方と24時間つきっきりという事ならば、私はやはり女性の方が良いです」
「そうか。それでは百合川、めぐみを頼んだぞ」
「はっ、この命に代えましても。」
「うむ。」
:::::::::
社長と他のSP連中が引き上げ、部屋にはお嬢様と私の二人が残された。
これまで私は遠巻きにお嬢様に危険がないかを監視する任務にあたっていた。私は彼女をよく知っているが、彼女にとって私は初対面の人間なのだ。
使用人や執事に囲まれて生きてきたお嬢様でも、さすがに突然見知らぬ人間が24時間つきっきりとなると落ち着かないだろう。
・・・そう思うと何となく申し訳ないような気になった。心なしか部屋の空気も重く感じる。「・・・・・・」
私には気さくに話しかけられるような巧みな話術もない。これまで必要とした事もなかった。彼女と打ち解けることが任務ではないのだから、本来このような事は気にしないで良いものなのだが・・・何故だろう、自分が口下手なために彼女が今後息苦しい思いを強いられるのではと思うと胸が苦しくなった。自分がひどく矮小な存在に思えるのだった。
「あの・・・」
「はっ!」
突然の声かけに驚き、部屋の静けさにそぐわない大きな返事をしてしまう。お嬢様の肩が跳ねあがったのを見て、私は内心しまったと顔をしかめた。
「百合川さん、でしたよね」
「は。」
「えっと・・・」
「・・・」
・・・『こんなに早くお嬢様に名前を覚えて頂けるとは光栄です』。そうだ、そう言おう。私の個人的な思いなど今ここで話す必要は全くないのだが、むっつりと黙っているよりは何か話した方がきっとお嬢様も安心するだろう。
「下のお名「こんなに早くお嬢様に名前を覚・・・」
あっ
「あら・・・、ごめんなさい、お先にどうぞ」
「う・・・!」
あああああああああああ
かぶった・・・!
私のどうでもいいような話でお嬢様の言葉を遮ってしまった・・・!!
「もっ、申し訳ございませんお嬢様!何でもありませんっ!」
「・・・・くすっ」
狼狽する私が面白かったのか、お嬢様は口元を隠して小さく笑った。気分を害した様子ではなかった事に少しだけ安堵する。顔からは火が出そうだが。
「あの、怒らないで下さいね、私百合川さんの事もっと怖い方かと思って緊張していたの。今のを見たら、なんだかホッとしちゃいました」
そういって笑いながら、お嬢様は両の手で私の手を握った。小さな手だなと思った。
「・・・百合川さん、あなた下のお名前は何ておっしゃるの?」
「け、ケイです。恩恵の恵の字で『ケイ』・・・」
「まあ!私も同じ字なんですよ!その字で『めぐみ』と読みます。・・・ふふ、お揃いですね!」
「は、はぁ・・・」
何と返したら良いのか分からずたじろいでしまう。
それは名前が同じ『恵』だった事に関心がないからではない。その話題以上に、今まで遠巻きに見ているだけだったお嬢様の笑顔が私に、私だけに向けられている事に舞い上がってしまい頭が正常に働かないからだ。
ああ、早鐘のような鼓動が伝わっていないだろうか。手汗なんかが出ていないだろうか。
「嫌だわ私ったら一人で舞い上がっちゃって・・・ふふ、ごめんなさいね。」
「いえ、そんな・・・」
舞い上がっているのは私の方なんです、お嬢様。
「私、あなたの事どうお呼びしたら良いかしら。ケイさん?ケイちゃん?」
服でも選ぶように楽しげに私の名前を音に乗せるお嬢様の様子に顔がゆるみそうになる。
「・・・どうとでも、お嬢様のお好きに。」
その瞬間ピタリとお嬢様が停止した。何かまずい事を言っただろうかと背中に汗が流れる。
「・・・ではまず、その『お嬢様』という呼び方をやめましょう」
「えっ」
「私を呼んでみて下さい」
二コリとお嬢様は自分の胸に手を当てて見せる。
「・・・奥園様」
「下の名前ですー」
お嬢様が悪戯っぽく口を尖がらせる。
「・・・め、めぐみ様・・」
「やですぅー」
「う・・・、」
「・・・ふふ」
私はからかわれているのだろうか。
「これからずっと一緒なんです、他人行儀な呼び方しちゃ嫌ですよ?」
急にそんな事を言われても。
「う・・・、め、めぐ・・・めぐ・・・えー・・・」
私は無意識にお嬢様の名前をどもり続けていた。ただ場をつなぐために音を発しているだけというか・・・。
お嬢様を名前で呼ぶなんて。それだけでなく『様』を拒否されるなんて。どうしたらいいというのか皆目見当もつかなかった。
「・・めぐ?」
「うわ、」
はたと気付くと、お嬢様が目を輝かせながらこちらを覗き込んでいて思わず後ずさりをする。すかさずお嬢様は距離をつめた。
「『めぐ』ですか?」
意図せぬところで自分の独り言が呼び名になろうとしている。このままではお嬢様を呼び捨てにする事になってしまう!
「っ・・・ちゃん!!」
「めぐちゃん?」
「え、いや、あの、その」
「めぐちゃん!」
お嬢様は両掌をあわせて喜んでいた。
「ち、違・・・、・・・・・・」
これは今後お嬢様の事をめぐちゃんと呼ばなければならないという事なのだろう。多分。そう思うと気恥ずかしさで頭がおかしくなりそうだった。
めぐちゃんて。
こんな壁みたいな大女がめぐちゃんて。
しかも恩のある社長のお嬢様に向かってめぐちゃんて。
「うう・・・」
「私ね、昔からずっと『お嬢様』とか『めぐみ様』なんて呼ばれてきたんです。小さい頃はそれが普通なんだと思ってました。学校に行くようになって学友にそれをからかわれて。今でも、ふざけて『お嬢様』と呼ばれる事が多いんですよ。」
「ぁ・・・」
「・・・だから、私にとってニックネームは憧れだったんです!」
「お嬢・・・、」
「・・・」
「・・・めぐ、・・・・・ちゃん」
「・・・ふふ!」
「・・・・・・」
こそばゆい。とてもこそばゆくて床を転げ回りたい衝動にかられる・・のだけれど。
嬉しそうなお嬢様を見ていると、自分の羞恥心程度この際どうでもいいやと思えてくるから不思議だ。
「せ、誠心誠意努力します・・・」
「ふふ、わがまま言ってごめんなさいね。これからよろしく、ケイちゃん!」
「!」
「ケイちゃん顔が真っ赤です」
「・・・」
『ケイちゃん』と、大女に似つかわしくない呼び名を貰った瞬間、私は漠然とした、けれど巨大な弱みを握られたような心持ちだった。
そしてそれは決して悪い気分ではなかった
まあつまりあれだ、惚れた弱みって事です
絵もまじえるつもりだったんに…(´;ω;`)
しかも遅れをとるなんて。
性 別 | 男性 |
年 齢 | 73 |
誕生日 | 8月18日 |
地 域 | 福岡県 |
系 統 | ギャル系 |
職 業 | 小学生 |
血液型 | B型 |