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昔の街には不似合な時代おくれの酒場。いつもやって来るのはちょっと疲れた大人たち。風の寒さをしのばせた背広姿の大人たち。酔いがまわれば、それぞれに唄の一つも飛び出して、唄を唄えば血がさわぐのか? せつなさに酔いしれて飲む姿。だけど違うと俺は思っていた。どこかに何かありそうな、そんな気がしていた。俺はこんな所にいつまでも、いるんじゃないと。何か出来ると。何かやると。街には住みあきているはずなのに又せつなさと過ごす大人。あの大人は、今頃どこでどうしているんだろう。夢のにがさを知りもせず。夢をさがしているんだろう。昔の街には不似合な時代おくれのこの酒場にうもれているのだろうか。今夜もやって来るのは違う明日を待つ大人。今夜もやって来るのは昨日を捨てた大人たち。こんな姿が目に浮かぶ。だから俺は、明日に向かい明日に挑戦する。せつなさとは一緒にいられない。と思っていた。必死で走り続けた。ようやく落ち着いたら、いつしか、せつなさは隣にいた。ここは昔の街に似ていた。時代おくれな酒場に俺がいた。
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